手元のアバターの脚は、歩く動きを繰り返しているだけ。次に何を足せばいいんだろう、と検索を始めるのはこのあたりです。
腰や足の動きもアバターへ渡す遊び方を、フルボディトラッキング(フルトラ)と呼びます。その入り口になるのが3か所、腰と左右の足首です。ただ、この3つを足せば下半身がまるごと装着した人の動きに置き換わるかというと、そこはVRChat側の設定で変わります。公式ドキュメントには、3点・4点のときだけ効く設定と、6点以上のときだけ効く設定が、別々に用意されています。
この記事で分かるのは3つです。最初の3か所が何を測っているのか、足したあとに下半身がどう動くのか、そして買う前にメーカーの製品ページのどの欄を読めばよいのか。
最初に足す3か所は、腰と左右の足首
VRChat公式ドキュメントは、ヘッドセットとコントローラーのほかに追加できるトラッカー(体に付けたり部屋に置いたりして位置を測る小さな機器)の装着部位として、次を挙げています。
- 足
- 膝
- 腰
- 胸
- 肘+肩(トラッカー1個で肘と肩の両方を制御する。肘より上に装着する)
追加できる数は最大8個までです。
「3点」と呼ばれている構成が指しているのは、このうち腰と左右の足首の3か所です。公式ドキュメントは 3-point という条件付きの記述はしていますが、内訳までは書いていません。腰と左右の足首という読み方は、ソーシャルVRニュース&ガイド編集部による整理です。
膝でも胸でもなく、最初の1個に腰が入っているところが、この数え方のポイントになります。
3点のとき、VRChatは下半身のアニメーションを残している
ここが、最初の3点を選ぶときにいちばん効いてくるところです。
VRChatのアバター設定に Use Auto Footstep という項目があります。既定でオンになっていて、実際に部屋の中を歩いて移動したときに、下半身のアニメーションが自動で作られて再生されます。この設定には「3点または4点のトラッキングにのみ適用される」という条件が付いています。
もうひとつ、Force Locomotion Animations という設定があります。こちらは「6点以上のトラッキングにのみ適用される」もので、オフにするとスティックで移動しても歩行アニメーションが再生されなくなります。足踏みで歩いているように見せたい人向けの設定です。
腰と両足の3点は、後者にはまだ手が届かない構成です。測った腰と足首の位置と、VRChatが作る下半身の動きが同居します。同じ「フルトラ」という言葉でも、点数によってVRChat側の下半身の扱いが切り替わる、ということです。
何で位置を測るかで、選べる機材が分かれます
トラッカーは、どこで何を測るかによって作りが違います。
- 部屋の壁や高い場所に機器を置き、そこから位置を測る方式(SteamVR Base Station を使う Lighthouse 方式)。VRChat公式ドキュメントが対応機器として名前を挙げているのは、HTC Vive Tracker や Tundra Tracker です
- 体に付けたセンサーで、向きや動きを測る方式(IMU方式)
- カメラで位置を見て、センサーだけで生じるずれを直す仕組み。どのカメラが何を見て直すのかは製品ごとに違います
もうひとつ、Quest 3/3S を単体で使うのか、パソコンにつないで使うのか(VRゴーグルをパソコンにつないで遊ぶ方法)という違いがあります。どちらの使い方に対応しているかは、メーカーの製品ページの対応環境の欄に書かれています。製品ごとに条件が違うので、買う前にその欄を読んでください。
買う前に、製品ページで読む6つの欄
どの製品でも、同じ6つの欄を同じ順で読むと、比べる土台がそろいます。
1. 使えるVRゴーグルと接続方法:Quest 3/3S を単体で使う場合と、パソコンにつなぐ場合のどちらに対応しているか
2. 部屋に置く機器:壁に付ける機器やカメラが要るのか、置き場所と高さの指定があるか
3. 体に付ける機器:何か所に、何を巻くのか。腰と左右の足首の3か所なのか、胸や太ももも含むのか
4. 毎回の準備:電源を入れてから遊び始めるまでに、何をするのか
5. 電池の持ちと、充電か交換か:充電式なら1回の充電で何時間か、電池式なら何をいくつ使うのか
6. 使うのに必要な機器を全部そろえたときの価格:本体の価格と、別に買い足す機器の価格を分けて読む
腰と左右の足首の3か所を測る構成と、胸と左右の太ももを足した6か所の構成が、それぞれ何を体に付けて何を部屋に置くのか。その内訳と価格はOpsens・Opsens+の製品ページに載っています。
電源を入れたあと、最初にやる姿勢合わせ
トラッカーがそろったら、遊び始める前にひとつだけやることがあります。クイックメニューの Calibrate を押して、実際の姿勢とアバターの姿勢を合わせる作業です(キャリブレーション)。
公式ドキュメントが注意している点は3つです。
- 設定の身長(
User Height)を正しくしておく。 ここがずれていると、足が床にめり込みます - 合わせている間にしゃがまない
- プレイスペース(VRで遊ぶために確保した、実際の部屋の範囲)をずらすツールで、位置をずらしたまま合わせない。 ずらした分だけ、実際の体とアバターの位置が食い違ったまま固定されます
VRChat側にトラッカーが出てこないときの確認は、トラッカーが認識されないときにあります。
なお、VRChat公式はこの仕組みを experimental(実験的)と明記しています。アップデートで挙動が変わることがあるので、動きがおかしくなったら、まず公式のリリースノートを見るのが早道です。
3点から始めるか、6点まで用意するか
最初の3か所が測っているのは、腰と左右の足首の位置です。下半身がまるごと入れ替わるのではなく、測った位置とVRChatが作る動きが同居する状態から始まります。
踊りたいのか、座って写真を撮りたいのか。どちらを先にやりたいかで、3点で始めるか6点まで用意するかの答えは変わります。
次にダンスワールドへ入ったら、脚が動いている人の腰のあたりを見てみてください。どこを測るとどこが動くのかが見えてくると、製品ページの読み方も変わってきます。
出典
- VRChat公式ドキュメント「Full-Body Tracking」:https://docs.vrchat.com/docs/full-body-tracking (2026年9月6日確認)