Fermata Shopの「PuniRig(ぷにリグ)」は、その作業を済ませたデータのほうを配って、Unity上でアバターを指定するだけで入れられるようにした追加アセットです。2026年9月8日にBOOTHで公開され、9月11日にリリース記念の割引が始まりました。
画像:Fermata Shop/BOOTH商品ページ
ツール概要
- 価格:各アバター単品 1,000円/Vol.1 4種セット 3,000円(リリース記念割引)
- セール期限:2026年9月25日 23:59(JST)。9月26日から通常価格に戻ります
- 対応アバター:愛莉(Airi)/まよ(MAYO)/しなの(Shinano)/ミルティナ(Milltina)の4種
- 必要ソフト:VRChatアバター用のUnityプロジェクト/VRChat SDK – Avatars/Modular Avatar/NDMF
- 含まれないもの:アバター本体、商品画像・動画で使われている衣装
- 利用規約:個人・非商用の利用。再配布・譲渡・貸与は不可
着せている衣装まで、いっしょに揺れる
商品ページで大きく取られているのは、揺れの作り込みそのものより、その揺れが服にも届くという一点です。
「アバター内の衣装を自動で検出し、追加ボーンの動きに追従するようウェイトを反映します」と書かれています。検出の対象は、いま表示している服だけではありません。「非アクティブになっている着せ替え用の衣装も検出対象に含まれます」。アバターの中に入れてあって、普段は隠している着替え一式にも、同じ処理がかかります。
ここが今回の面白いところです。自動化されているのは、揺れをどう作るかではなく、着せてある服を探して、追加した骨組みの動きに合わせる側の作業でした。多くの衣装に、個別のウェイト編集なしで適用できるよう設計しているとも書かれています。
ただし、そこには条件も添えられています。「すべての衣装への完全な対応を保証するものではありません」。衣装の形状や構造によっては調整が必要になり、体が服を突き抜けたり面同士が重なって見えたりすること(クリッピング)が部分的に起きる場合がある、と同じ段落に明記されています。
元のデータを書き換えないで足す、という方式
導入は非破壊方式です。非破壊という言葉の意味は、商品ページ自身が説明しています。「元のメッシュを直接上書きせずに適用する仕組み」——メッシュは、アバターの見た目を作っている面の集まりのことです。素体のデータをその場で書き換えるのではなく、VRChatへアップロードする直前の組み立て処理(NDMFのビルド処理)のときに、追加のボーンとPhysBone(髪や服を揺らすための仕組み)を重ねて適用します。
NDMFは、衣装やギミックを組み込む道具であるModular Avatarと一緒に入る土台です。この2つがそろっていれば、Blenderのような3Dソフトを開く場面はありません。
一方で、配られているリギングそのものが自動で作られたわけではありません。ベースにあるのは、アニメーターが長年、実際に手元のアバターで使いながら磨いてきた追加リギングデータだと商品ページは説明しています。ボーンの配置と構成、ウェイトの分布、PhysBoneの反応を手作業で調整したものを、配布用のデータとしてまとめたとのことです。自動で処理されるのは、そのデータを入れることと、衣装へ適用することの2つになります。
そのうえで、商品ページは「非破壊方式は、プロジェクトのバックアップや、個別の環境での動作確認に代わるものではありません」とも書いています。導入や更新の前にプロジェクトを控えておくこと、アップロード前に適用結果を見ることは、購入者の側に残ります。
対応しているのは、いまのところ4体

Vol.1が対応するのは、愛莉(Airi)、まよ(MAYO)、しなの(Shinano)、ミルティナ(Milltina)の4種です。汎用のリギングを1つ作って全部に当てているわけではなく、「各アバターの元の素体ウェイトや体型、肉付き、ボディラインに合わせて、個別に制作しています」と書かれています。そのため、揺れ方や触れたときの反応はアバターによって多少異なるとのことです。
Vol.2以降で対応アバターが増えるかどうかは、商品ページに記載がありません。この4種以外のアバターを使っている場合、いま買っても当てられる相手がいない、ということになります。
なお、この商品に含まれるのはリギングのデータだけです。「オリジナルアバター本体および商品画像・動画に使用した衣装は付属しません」。アバターは各作者の商品ページから別に購入します。
導入は、インストーラーでアバターを指定するところから

画像:Fermata Shop/BOOTH商品ページ
Unityのメニューバーから Fermata > PuniRig > Installer を開き、対象のアバターを選ぶところから始まります。画像では、まよ用のパッチとして「追加ボーン:6個、PhysBone:4個」と表示されています。
その下にあるのが、体のどこに入れるかのチェック欄です。画像には Belly_Hips、Belly_Spine、Thigh.L、Thigh.R の4つが並んでいます。おなかまわりと左右の太ももで、チェックを外したところには適用されないと画面内に書かれています。全部を入れなければいけないものではなく、部位ごとに選べます。
細かい設定も同じ画面に用意されていますが、商品ページは「まずは初期設定で導入し、必要な部分だけ調整してください」という順序を取っています。衣装への割り当てを探す距離や、ボタン・装飾パーツの歪みを抑える補正は、必要になってから触る側です。
買う前に見ておきたい条件
制作の基準になっている環境は、Unity 2022.3.22f1、VRChat SDK – Avatars / Base 3.10.4、Modular Avatar 1.18.7、NDMF 1.14.8です。これと異なる組み合わせでは動作が変わる場合があると書かれています。プロジェクトの用意はVCC(VRChat向けの制作環境をまとめて用意する公式ソフト)か、同じ役割を持つALCOMで行います。
うまく入らなかったときの逃げ道も、商品ページに一通り書かれています。詳細オプションの調整、適用する部位の変更、特定の衣装やマテリアルを適用から外す指定です。体型やボーンを大きく改変している場合、併用しているアセットの処理内容によっては、競合や意図しない変形、ビルド時のエラーが起きる場合があるとのことです。素体の頂点数や構造そのものを変更したモデルについては、正常な適用は保証されないと明記されています。
利用規約は個人・非商用の範囲です。購入者本人のUnityおよびVRChatプロジェクトで使用・改変し、適用したアバターをVRChatへアップロードできます。ファイルを他の人に渡すこと、利用権を共有・移転することはできません。導入や改変を人に頼む場合は、依頼する側と作業する側の両方が同じ商品を購入していることが条件になります。
9月25日までの価格と、26日からの価格
リリース記念の割引期間は、9月11日から9月25日 23:59(JST)までです。この間は各アバター単品が1,000円、Vol.1の4種セットが3,000円になります。
9月26日からは通常価格に戻ると商品ページに書かれています。額は商品ページの表示を確認してください。対応アバターを1体しか持っていない場合は、単品で足ります。
商品ページのNote欄には「2026.09.11 v1.0.0 Release」とあります。公開されたばかりのバージョンです。
揺れる服の次に、動かしたくなるもの
追加ボーンとPhysBoneが増えると、アバターは触れられたときや歩いたときに反応を返すようになります。反応のきっかけを増やすもう一つの方向が、腰や足の動きを実際の体からアバターへ渡す方法(フルボディトラッキング)です。何をそろえるとそれができるのかは、Opsens+の仕組みと価格にまとまっています。
いま着せている服と、クローゼットにしまってある着替え。どちらまで一緒に動いてほしいでしょうか。利用中のアバターが4種に入っているなら、まずは初期設定のまま一度入れて、歩いたときの裾の動きを見てみてください。価格が変わるのは9月26日からです。
公式情報
- BOOTH商品ページ(Fermata Shop):https://booth.pm/ja/items/8814858
- 愛莉(Airi):https://kyubihome.booth.pm/items/6082686
- まよ(MAYO):https://chocolaterice.booth.pm/items/8122803
- しなの(Shinano):https://ponderogen.booth.pm/items/6106863
- ミルティナ(Milltina):https://dolosart.booth.pm/items/6538026
